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金のために働くは案外難しい

 

TV見てたら「某携帯電話会社」が潰れそうだと耳にした。

 

懐かしくなったので・・・なんとなく書く。

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かつて先輩が会社を辞める時こう言った。

「バカにゴミを売るのが嫌になった」

 

 

・・・・当時 私が勤めていたベンチャー企業は倒産寸前。

 

そこで起死回生の案として。

「携帯電話の販売をしてみないか?」ということになった。

 

すると突然・・・

会社にお金がザクザク入るようになった。

 

携帯バブル到来である。

 

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めちゃくそ売れたよね。

1台売れると6~7万?くらい貰えたかな?

 

 

私も携帯販売の研修で話を聞くと。

「携帯電話は誰でも必要としている!」

「この携帯はどこよりも安くて良いものだ!」

と教わり感激しました。

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私がこれまで売っていたクソみたいな健康食品とは違う!

 

「本当に良い商品を販売できるんだ!!」と。

 

営業マンにとってこんなに嬉しいことはない。

 

 

ところが携帯が売れるほど・・・・・

会社にクレームが飛んでくる。

 

「おい!ぜんぜんつながらねーぞ!!」

 

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えっ?携帯電話が繋がらないとかあります??

 

電波が弱すぎる。電話が繋がらない。

そういうクレームがポッコポコ入る。

 

いやでもそんなハズは・・・

 

戸惑う我々を上司がこう諭すのだ。

「あのなぁ~そりゃ

 お客さんの思い込みだっ!!!」

 

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思い込み・・・・?

 

「ウチの携帯は電波が悪い!

とかいう噂があるからさ~

ちょ~っと電波が悪いだけで

やたらと騒ぎ立てるんだよ~!」

 

・・・いや、そうだよなぁ。そりゃそうだ。うん。

 

だって繋がらない携帯電話なんて販売できない。

 

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そんなものは詐欺じゃないか。

 

それにこの某携帯電話会社の社長は。

いろんなメディアで天才だと。 

まるで偉人のように褒めたたえられている。

 

こんな立派な人物がやましい商売をするはずがない。

 

・・・・しかし現実問題

お客さんからのクレームは続く。

  

例えばとある設備会社が

社用携帯を某携帯会社に変更した。

 

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ちなみに親会社の社長さんの一声で。

傘下にある子会社も揃って大手携帯会社から

某携帯会社へMNP番号乗り換えをしたのだ。

 

ところが田舎へ作業へ行った作業員たちが

さっそく異変に気付く。

 

「あれ?会社につながらねーぞ?」

 

「いままで使ってた・・・

携帯電話D社はつながってたのに・・」 

 

 

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当然クレームになる。「ふざけんな!」と

これは商売において死活問題だ。

 

現場作業員はもちろんだが。

 

何より「電話が繋がらない」の重さを感じるのは

携帯を売っている我々営業マン自身だ。

 

お客さんの緊急連絡が受け取れない。

すると当然クレームは悪化する。

販売のチャンスを逃す。

会社から業務連絡が滞る。

無駄な時間が増える。

 

出先で電話が繋がらないという損失はデカイ。

 

でも実は・・・・むしろ・・・

「電話が繋がらない」はマシだったりする。

 

電話をしてる最中に切れる。

聞こえなくなる。

・・・これが本当にやっかいだった。

 

 

わが社の携帯を販売した

お客様とのやりとりの最中。

 

「あっ・・・申し訳ありません!!

・・聞き取れませんでした・・・・

もう一度お伺いしてもよろしいですか?」

と・・たびたび聞き返すのは笑えない。

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お客さんも当然そう思う。

「おい・・・ほらほらほら!だから電波がさぁ・・」と。

 

私も同僚も上司に言いました。

「いやこれガチッス!ガチッス!

 ガチつながらねーッス!」

 

上司もクレームの山を見て大慌て。

「おいおいガチじゃん!

マジつながらねーの!マジ?」

 

とにかく大慌てでクレーム情報を元に・・・

大雑把な「つながらねーマップ」を作成。

 

 

 

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可視化すると。とんでもなく。

わかりきったことが。改めて分かった。

 

「あれっ?この携帯ゴミじゃね?」

 

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ビビビッ

 

 

そりゃ・・もちろん都会の方では

「それほど繋がりは悪くない」と聞く。

 

だが私が住む地方の田舎はダメだった。

海沿い。山沿い。田舎。壊滅。壊滅。壊滅。

 

「えっこんなゴミ売るの?」

 

「えっ?どうします・・?」

「どうすんのこれ?」

「これ絶対大事になりますよ?」

「そのうち訴えられるんじゃないすか?」

社内がざわざわする。

 

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しかし携帯電話を売らなければ。

わが社が倒産してしまう・・・

 

 

どうする?どうする?どうする?

 

 

 

そこで!クソ田舎のベンチャー社長は。

画期的な解決方法を生み出した。

   

「別に山とか海に近いとこ住んでる人に

 売らなきゃだいじょーぶじゃね?」

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酒の力は偉大である。あらゆることを解決してくれる。

 

「さすがに電波わるい地域に住んでる人だと

あれ?これやばくね?ってバレるだろうけど」

 

「たまたま山とか海とか田舎に行った人が

 なんか電波悪いなぁ~とか感じても」

 

「いやいやっ!それは勘違いですよぉ~!

たまたまですよぉ!で押し通せばOKしょ!!」

 

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我々はとにかく毎晩。毎晩。毎晩。

酒をあびるほど飲み続けた。

 

 

顧客からのクレームはえぐい。

飲まずにやってられなかった。

 

そりゃ社長としてはGOするしかない。

 

続ければ死ぬ可能性がある。

だが何もしなければ確実な死がまっているのだ。

 

 

わが社には金が必要だ。

 

しかしクソ電波携帯をどうやって売るのか?

 

あれは私が直属の上司と

同行営業に赴いた時のことだ。

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※上司はアフロ

 

お客様が当然難色を示す。

「え~〇〇携帯ね~電波悪いんでしょ~?」

 

すると上司はこう言うのです。

「いやいやいや!それは誤解なんです!

 コレを見てください!!!!」

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バサッ広げたのは・・・・

 

2つの地図。 

 

①某大手携帯会社『D社』のエリアマップ。

②わが社の扱う某携帯会社のマップ。

 

「見てください!ほら!エリア!!

電波塔の数ぜんぜん変わらないですよね!?」

 

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「あ!?ほんとだ・・・

D社と変わらない・・・!?」

 

 

「でしょう?確かに少し前は電波が悪いという噂がありました!

でも今では頑張ってこれだけエリアを増やしてるんです!」

 

 

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「ええ?そうだったのか?」

 

 

  

はい契約!!!!!

 

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営業終わってから私は

目を輝かせ上司に言いました。

 

「うちの携帯あんなにエリア増やしてたんですね!

こんな短期間に!知りませんでした!嬉しいです!

これからは気持ちよくお客様に販売できますね!」

 

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「いや違うよ?」

 

 

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「え?」

 

「このD社のエリアマップは〇年前の古いやつで

ウチのエリアマップは最新のやつなんだよ!」

 

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ぐえええっ・・・・

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「それ嘘じゃないですか!!!」

ともちろん突っ込んだ。

 

 

「いや・・?お客さんが勘違いしたんだよ?」

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「お客さんが・・・?えっ?え?」 

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「だっておれ嘘言ってないよね?」

 

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アフロ・・・・

 

たしかに古いとはいえ

D社のエリアマップは本物だけど・・・

そんなことしていいのか????

 

 

「ううっ・・・・」

 

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「わかったよ~ほら!お前もこれ一枚持っとけ!!

だけど客先で見せるだけな?証拠は残すなよ?」

 

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そういうことじゃない。。。

やっぱ確信犯じゃないか!!!

 

 

ええ・・・・だけど・・・・

こうまでしなきゃ売れないんだなぁ・・・

 

 

・・こうしていつもの営業が終わり。

上司が部長に営業完了の連絡を入れる。

 

「おつかれっす!今終わりました!!!」

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上司が使ってる携帯は・・・・

D社の携帯だった。

 

 

わたしは会社を辞めた。

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おわり