倒産寸前のブラック企業が『新興宗教』に営業をかけた話③

 

🔻こちらの記事の続きです。

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マルは最大級の

ビッグクレームを引き起こしました。

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大爆発だ。

 

宗教団体Dへ対応に行ったマルは、

独自の正義感からなのか?

「女性営業マンを拉致した事」への批判から始まり、

宗教そのものをバカにするような発言をしてしまったそうなのです。

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愚かなマル・・・・。

 

マルは宗教団体Dを完全に怒らせてしまったのです。

そして、その怒りの炎は次々と燃え広がりました・・・・。

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宗教団体Dと関わりがあった、

我が社のユーザーから次々とクレームの電話が入ったのです。

 

表向きは「普通の会社」でも、

経営者さんが信者の一人だったりする事は、

決して珍しい話ではありません。

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そもそも我がブラック企業が

「宗教団体への集中的な営業」を行った理由の一つは、

一つ契約がとれると、

横繋がりから連鎖的に契約を頂けるからなのです。

 

「あそこが契約してるならウチもやろうか!」

と言って下さるのです。

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・・・・・これは非常にありがたい。

 

しかし連鎖的に起きるのはクレームも同じです。

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マルが宗教団体Dを怒らせた事で、

その繋がりがあった会社のほぼ全てを、

怒らせる事になってしまったのです。

 

夜中の23時頃、

私とマルの2人は宗教団体Dへ

「クレーム対応」に向かっていました。

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随分遅い時間ですが、

謝罪を受け入れてくれた相手方から指定された時間が

23時だったのです。

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謝罪を受け入れてくれるだけでも、懐が深い。

しかし・・・クレーム対応は、とにかく気が重い。

 

さらに宗教団体Dへと向かう道中、マルから聞かされる

「おれは許せなかったんッすよ!」

自分の引き起こした「クレームを肯定する話」にもウンザリでした。

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(かんべんしてくれ・・・。)

 

それはまるで・・・

自分をマンガや映画の主人公だと思っているような口ぶりだったからです。

 

私は「うん・・・うん・・・・。」

と気の無い返事をし続けました。

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まぁマルの気持ちはわかるのだが・・・何か違う。

 

宗教団体Dは大事なお客様ですし。

会社や宗教団体Dに絡んだ案件を担当していた他の営業マン達に、

今回のクレームでどれ程迷惑がかかる事か・・・・。

 

それをわかっているのだろうか?

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マルは宗教団体Dへ到着するまで

ずっと私にそんな話をし続けました・・・。

 

営業部でみんなに怒られている時は粛々としていたのに・・・・。

3時間程前

20時頃、私が営業活動を終えて帰社すると。

営業部署のオフィスの真ん中に人だかりが出来ていました。

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ワイワイガヤガヤ

(なんだ?なんだ?)

 

その人だかりを覗き込むと、その中心には

ずぶ濡れで正座しているマルがいました。

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(おや?)

マルは神妙な顔でうつむいています。

怒り狂う先輩営業マンの方々は次々に

 

「てめえどうしてくれんだよ!」

とマルをボコボコと殴ります。

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そしてさらに、

「おまえマジでファミコンだな?」

「ポンコツ野郎!」

などと罵声を浴びせます。

 

我がブラック企業では出来の悪い社員を

「ファミコン」と呼んだりしていました。

 

ファミコンとは、昔の古いゲーム機の事です。

みんながマルを「ファミコン」と呼んだのは、

「マルの性能が低い」と言いたかったのです。

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(そんな話はどうでもいいか。)

 

で、何となくその場の空気から、

マルがビッグクレームを起こした事を察しました。

 

コッソリ同僚に話を聞いてみると、

宗教団体Dにマルが暴言を吐いたとの事・・・・。

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(それはマズイ・・。)

 

宗教団体Dと絡みがあった案件の全てが

ボツになってしまうわけですから・・・・。

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案件を担当していた先輩営業マン達が、

カンカンに怒ってしまうのもわかります・・・。

(暴力はいけませんが)

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ちなみにマルがびしょ濡れだったのは、

クレームの電話が入って先輩営業マンに責められたマルが、

「責任をとります!」と言って、

トイレでバケツに水を汲んで、

自分にかけたからだそうです。

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どういう事かわかりますか?

私にはわかりませんが・・・・。

混乱する営業部

みんなが口々にマルを責めて立てますが、

もう場の収集がつかなくなっていました。

なにせ部長が体調不良で不在なのです。

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この会社には、部長以外にまとめ役はいません。

 

すると、一人の先輩営業マンが

「じゃあマル、お前一人でクレーム対応行ってこいよ!」

と言い出しました。

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それを聞いて、

みんな(えっ?)という顔をします。

 

通常クレーム対応は、

クレームを起こした営業マン以外が行く事になっていたからです。

(もしくは上長と一緒に行く。)

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しかし・・・・・

みんな宗教団体Dへのクレーム対応など、

絶対に行きたくないのです。

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みんな口々にその意見に賛同します。

「マル行けよ!」

「お前の責任だろ?」

 

ここでヘタにクレーム対応に行けば、

宗教団体Dと揉めるだけではなく、

会社から全責任を負わされかねません。

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マル一人にクレーム対応に行かせて、

全責任を負わせて切り捨てる。

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みんながそんな鬼のような構想を頭に思い浮かべていたと思います。

 

しかし意外な事にマルは

「一人は絶対イヤっす!」

とこれを断固として拒否してきました。

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これにはみんな驚きました。

(いつも何を言われても言いなりのマルが・・・・)と。

 

マルも一人は相当イヤだったのでしょう・・・。

(怖いもんなぁ・・・。)

 

しかしこれ以上マルに無理強いをすると、

マルが「辞めます!」と言って失踪しかねません。

 

(誰が一緒に行くんだ・・・・?)

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みんな

責任を押し付ける相手が居なくなるのは困るのです・・・。

 

すると、

営業部全員の目線が私に集まりました。

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(ひええ・・・・・)

 

なぜかと言いますと・・・・。

みんなが思う、このクレーム処理が失敗して、

ダメージが一番少なくて済むのが、私だからです。

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我がブラック企業には、いくつかの派閥があって、

私は「部長派」とみんなの間で認識されていました。

(別に全くそんな事は無いのですが・・・。)

 

ちなみに部長派と言われているのは私だけです。笑

 

つまりこのクレームで大爆発が起きても

私だけは部長から守ってもらえる。

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実際はどうかわかりませんが・・・みんなはそう思っていました。

 

逆に部長の目障りなメンバーがクレーム処理にいって

大爆発を起こしてしまったら?

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部長はそのチャンスを見逃しません。

そのクレームの爆発に乗じて、部長に消されてしまうでしょう。

 

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(会社の平和のためだ・・・仕方ない)

 

私は涙をこらえて、

そっと手をあげて、

「ぼくが一緒に行きます・・・・」

と言いました。

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それを聞いたマルは、何だか嬉しそうにしていました。

(くぅう・・・・)

 

びしょ濡れのマルの服を着替えさせて、

私達は2人で仲良くクレーム対応に向かう事になりました。

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クレーム対応のはじまり

宗教団体Dの支部?は

よくある「普通の個人病院」に見えました。

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宗教団体の支部と言っても、

「普通の個人宅」だったり、

「要塞みたいな建物」だったり、

「お寺?」だったり・・・・形状は様々です。

 

クレーム対応に入る前に、

社長に電話を一本入れなくてはいけません。

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普段は部長に連絡をするのですが、部長が居ない場合は

社長に直接「クレーム対応に入ります!」と連絡するのです。

 

電話に出た社長は

「おう、おう・・・・」とだけ言っていました。

 

・・・・・興味が無いのでしょう。

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社長は会社にも殆ど出社してきませんから・・・。

この頃の社長はただのアルコール中毒者でした。

 

毎晩毎晩、

お気に入りの営業マンや愛人と朝まで飲んで、

次の日は昼から出勤したり、出勤しなかったり・・・。

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出勤したかと思えば、社長室で宴会を始めたり・・

もうメチャクチャでした。

 

この会社は基本的に部長の采配で保たれている会社なのです。

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しかし、社長は社長、私は私

私は自分の役目を全うするだけです。

 

なーんて・・・・カッイイ事は言えません。

 

なにせ私は・・クレーム対応に入ったものの、

「申し訳ありませんでした!」

とひたすら頭を下げ続ける事しかできなかったからです。

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相手方の院長さん?は60代位でしょうか?

いやぁ・・・凄まじい貫禄がありました。

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院長先生の隣には、娘さんも居ます。

 

どうやら、

親子揃って宗教団体Dの敬虔(けいけん)な信者なようです。

 

お二人の怒りは相当なモノで、

私のしどろもどろの対応では、

全く収まる気配がありませんでした。

 

話の途中に娘さんからは

「申し訳ありませんって・・・どうせ口先だけでしょ?」

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と言われたので、

マルと2人で土下座もして謝りました。

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私達みたいなどうしようもない男2人の土下座で

クレームが収まるのなら安いモノです・・・。

 

これで会社が救われるのなら・・・・・。

 

そんなこんなで1時間ほど経過した頃、

 

時刻も0時を回り、院長先生から

「もういいよ、今日は帰んなよ。」

と言われた時は心底ホッとしました。

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これで許されたわけでは無いのでしょうが、

とりあえず誠意だけは伝わった・・ハズだ・・・・。

 

私もマルもグズグズと涙を流しながら、お礼を伝えました。

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(これで何とかクレームが収まれば良いのですが・・・。)

 

あと帰る前に社長に1本連絡を入れなければいけません。

 

「会社に電話します」と院長さんに伝えて

社長に「対応終了の連絡」を入れました。

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しかし・・・・電話に出た社長は

「で、いくら?」

「なんの契約とれたの?」

と私に言ってきました。

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もうビックリして心臓が飛び出そうでした・・・

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社長は酔っているのか?

 

「いえ・・今回は営業ではなく、クレーム対応で・・・」

と私が言いかけると、

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「てめえ・・・ナメてんのか?」

と社長の低くて冷たい怒りの声が電話越しに聞こえてきました。

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もう・・・嫌な予感しかしませんでした。

 

 

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