ブラック企業の洗脳を説いてくれた父の話

超ブラック企業の3年間の超貧困生活

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ブラック企業に入社してから3年が経過していた。

1日14時間あまりの過酷な労働をしても、月の給料は10万円にも満たない。

社員と言っても個人事業主の契約なので保険・税金・年金は自分で払わなければいけない。

なのでそれだけ働いても、私の月収は「わずか数万円」に過ぎなかった。

3年間の生活で貯金は完全に底をつきていました。

(※といっても元から10数万円の貯金しかなかったのですが笑)

いや、年金や税金等を一部滞納していたので、むしろマイナスになっていました。

破綻する人間関係

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人付き合いにはお金が欠かせません。

それが全てではありませんが、お金は大切です。

私には友人から誘いがあっても、遊ぶお金何なんてありませんでした・・。

お菓子やジュースを買うお金すらなかったのですから。笑

しばらく友人からの誘いを断り続けると「もう誘われなくなりました」

同じ会社に彼女がいましたが「あまりにもお金が無さすぎて」「呆れられ」

彼女は会社を辞め

浮気をして別の男性と付き合い始めてしまいました。

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人との関係が断たれていくほど

私はドンドン仕事に・・職場にのめり込んで行きました。

職場だけが自分の居場所

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典型的なブラック企業のやり口なのでしょうか?

この会社も貧しい生活をさせる事で外界との人間関係を断たせ「自分にはこの職場が全てだ」と思わせる目論見があったようです。

私はまさにその目論見通りの生活になっていきます。

まず、休日がありません。

せいぜい月に2日あるか無いか?という程度です。

土曜日は普通に出勤なのですが、日曜日は毎週のようにバーベキューやイベントが開かれるのです。(社員たちからお金をしっかり徴収します)

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これも職場の人間と仲良くさせて、会社に依存させるための手法だったようです。

私も他の社員もドンドン会社以外の人間と疎遠になっていきました。

でも私は楽しくてたまりませんでした。

ここが「自分の居場所なんだ」っていう安心感がここにあったからです。

父からの呼び出し

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ブラック企業に勤めだして3年ほど経ったある日

父から「食事でもしないか?」という連絡が入った。

これには驚いた!

父は家にはめったに帰ってこず、何をしているのか?どんな人なのか?

わたしは父の事をほとんどよく知らなかったからだ。

しかし、私の頭の中は

(久しぶりにまともな食事が出来るぞ!)

という考えで一杯でした。

なので即了承して、待ち合わせのレストランに向かいました。

父との再会

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まともに話すのは3年?いや5年ぶりだろうか?

いや、そもそもまともに話した事などあっただろうか?

レストランに行くと、スーツを着た父が待っていた。

何を話したのかよく覚えていませんが、何か適当な世間話をしていたと思います。

(私は何よりも食事に夢中でしたので)

食事が終わると、父は私の仕事の事をたずねてきました。

(ああ・・・会社を辞めろって説得するつもりなんだな)

と、モチロン説得される事は来る前から感づいてはいましたが・・・

私はおいしい食事に釣られてノコノコやってきてしまったのです。

父の説得

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私は会社を辞める気はありませんでした。

給料が安い

仕事が激務

休みがない

そんな事はどうでも良い事だったからです。

会社だけが私を認めてくれる唯一の居場所だったんです。

やはり父は「その会社はまともな会社ではない、辞めなさい」と言ってきました。

辞める?・・・・・・・・・・

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辞めて今更どこへ行けって言うのでしょうか?

私を受け入れてくれる場所はココしかないのです。

私は聞く耳を持ちませんでした。

自分の居場所は?

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私は父に一生懸命説明しました。

社長の素晴らしさ

会社の人間関係の良さ

仕事のやりがい・・・・

父は言います。

「それは社長に都合良く使われているのではないか?」

そのシンプルな一言で私はひどく動揺しました。

自分の中で内心モヤモヤしていた部分を突かれたからです。

まぁそもそも我がブラック会社の人間は会社の悪口を一切言いません。

※そういう言論統制を行うルールがあったのです。

こんな風に会社の批判をされた事自体はじめてだったのです。

経営者としての責任

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それでも「辞めたくない」という私に対して

父は静かに自分の経営している会社の話をはじめました。

(※ちなみに父は経営者といっても雇われ経営者です。)

父の話は

会社に「重い病気で苦しんでいる社員」がいる事

その社員は「仕事も出来ず、病院で闘病生活」をしている事

そんな社員に対して責任を感じて「父はいまだにお給料を払い続けている」

そして父はつけ加えてこう言った。

「何もしない社員の給料を出し続けることは、会社としても非常に苦しい・・」

「だが会社には社員とその家族に対して責任がある!だから払い続けるんだ」

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加えて父は言いました。

「お前のところの社長はどうだ?」

「社員に対して何の責任も取ろうとしてないじゃないか?」

(ああ・・確かにそうだ・・・)

この時、3年間で辞めていった数百人の社員達の顔が頭に思い浮かびました。

会社は彼らに何の保証も与えず、都合が悪くなるとすぐ切り捨てていた。

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父は続けて言いました。

「同じ経営者として責任をとっている俺と、お前の社長どっちを信じるんだ?」

私は・・・・・・・・私は会社を辞める事にしました。

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社長の本当の顔

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夜のミーティングが終わった後、社長に「お話があります」と声をかけました。

何かを察したのか、いつも笑顔で固定された社長の顔が少し歪みました。

「実は会社をやめようと思うのですが・・・」緊張のせいか声がでません。

私は3年間お世話になった社長に対して心苦しい気持ちで一杯でした。

そして、3年間大変お世話になりました、そうお礼を言おうしたその時・・・

「おぅけい!」

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社長は大声でそう言うと、席を立ち、なぜか口笛を吹き始めました。

その姿はまるで

(お前が辞めても、うちの会社には影響ないから)

そう言っているように見えました・・・。

ショックでした。

(こんな人だったのか?いや、きっと何か理由があるはずだ・・)

何だかめまいがしました。

「あ、あの・・・」と社長にもう一度お礼を言おうとすると、

社長は振り返り

「あ、荷物まとめといてね?で、明日から来ないでね?」

社長はそれだけ言うと、どこかへ行ってしまいました。

辞めていった同僚、私の部下達にも辞める時にこんな態度を見せたのだろうか?

そう思うと、胸が苦しくなりました。

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その後

会社はこの数年後に倒産します。私が辞めたこととは関係ありません。

今は遠い土地で別の会社を経営しています。

最近、この社長の新会社のHPをチラッと見てみました。

 

すると、こんなような事が書かれていました。

「人に迷惑をかけずに成功するなんて出来ないよ!」

「迷惑をかけた分は、どこかで恩返ししていけばいいじゃん!」

 

この社長が作り出したブラック企業に入り、多くの人が傷ついたと思います。

中には死んだ者もいます。

一体その「迷惑」はいつどこで誰に恩返しするんでしょうか?

私には・・・・よくわかりません。

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