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警察官クビになってからブログ

ダークファンタジーブログ

死後清掃会社に行かされた話:本当に怖いのは『何もない部屋』

死後清掃と聞くと血なまぐさいドロドロした現場や死体と対面するのが「怖そう」と思ってはいませんか?誰でもグロにはいず耐性が付くものです。本当に怖いのは何も無い現場なのです。ここでは私がゾクっとした現場の話を交えながら、私が関わった仕事のお話をしていきたいと思います。

🔻この記事はコチラの続きになります。

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普段は「家具屋の店員」ときどき「死後清掃作業員」

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私が入社した「家具屋」はウラでは「死後清掃」の請負を行っている会社でした。

死後清掃業務に関しては別の会社を用意してあり、表面上は家具屋とは無関係なように見せていたようです。

(なぜそうしていたのかはわかりませんが・・。)

私も普段は家具屋の店員として普通に働いています。

しかし、死後清掃の依頼があるとマネージャーに「ちょっといい?」と呼ばれて作業着に着替え、マスクを付けて死後清掃会社の社員として私は現場に向かうのです。

たったひとりの作業員

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いつものように管理人さんに挨拶を済ませて、たった一人で現場に入ります。

私は特に理由も無いのに、いつもビクビクしていたように思います。

部屋に向かうと、入り口の前には大体怖いお兄さんが立っています。

(居ない時もあるのですが)

お兄さんは、私にやってほしい事を簡単に説明してくれます。

大体の場合は「持ってけるものだけでいいや」と言います。

本格的な清掃や片付けは基本私の役割ではないのです。人手不足になってしまったので出来なかったのかもしれません。

クツは脱ぐのか?履いたままなのか?

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一通り説明が終わるとお兄さんは一言「クツは脱いでね」と言います。

そう言われた時は「ホッ」胸をなでおろします。

もし「クツはそのままでいいよ」と言った場合・・・。

その現場は悲惨な現状になっているからです。

(悲惨=血まみれの現場というわけではありません、これもまた今度お話します。)

死後清掃の仕事はどんな事をやるのか?

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私は死体の片付けはしません。

死体が片付いた後の現場処理をするのが私の仕事です。

しかし血みどろの悲惨な現場、というのはまずありません。

(あったのかもしれないが、そういう現場に私は呼ばれません)

作業内容は現場によって異なりますが、お客さん?からの要望は

大体この3つのどれかでした。

  • 持っていけるものだけ持っていってほしい
  • 部屋にある物を全部捨ててほしい
  • 特殊な状況を解決してほしい

 まぁ片付けと簡単な掃除はわかりやすいのですが、そうではない特殊な条件をつけられる現場も少なくありませんでした。

それはまたお話します。

ビクビクしながら部屋に入る

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私は特別に幽霊とかを信じているわけでは無いのですが、遺体があった現場に入ると、何か奇妙な気配を感じてしまいます。

(心理的な問題だと思いますが・・。)

部屋に入ってまず私がやる事は「遺体があった場所を特定する事です」

大体何か「シミ」や何かの汚れのような痕跡があるので、「ああ、ここで死んだんだな」とわかるのです。(まぁ大体はベットの上でした)

それが見つかると、また私は「ホッ」とするのです。

安心するのは、何となく死んだ原因がわかるからです。

原因がわかれば恐怖感も和らぐので、テキパキ作業に集中できるようになります。

本当に怖いのは死体の痕跡がある現場ではありません。

「何が起きたのかわからない現場」なのです。

何だかよくわからない部屋

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私が「怖い」と思った部屋の話を一つをご紹介します。

その部屋が怖かったのは「キッチンに作りかけの料理がまだ残されていた」からです。

部屋の様子が何かおかしい、あまりにも普通すぎる。

女性の部屋だろうか?いつものような異臭ではなく、何となく甘い香水?のような匂いが漂っていた。

洋服も何もかもキレイに残っており、ついさっきまで誰かが生活していたような状態に見えました。

冷蔵庫を開けても食材が腐っておらず、真新しい食材が並んでいます。

(料理が好きだったのだろうか・・・?)

とても、誰かが死んだ部屋には見えません。

ただ引き出しや押入れなどを見ると、誰かに荒らされた形跡はありました・・。

いつも通り、ブランド品や貴金属は誰かが持っていったようです。

恐る恐る部屋中を探索しても、どこにも血痕やシミや汚れが見当たりません・・・・。

ここで何があったんだろうか・・。

夜逃げだろうか?

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そう思ったが、それにしては服が大量に残っており、テーブルにもゲーム機が置きっぱなしになっていた。

ただ床に手紙に混じって請求書のような物が沢山散らばっていたので、

「お金に困っていたのかな・・・」と何となく思いました。

その現場はマネージャーからは「金になるモノだけ持って来い」と言われていたので、部屋をウロウロしながらお金になりそうなモノを探し始めました。

たちこめる異様な気配

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金目のモノを探しながら部屋をウロウロしていると、色んな情報が目に入ってきてしまいます・・・。

家具等に女性本人と思われるプリクラが沢山貼られていました。

20代前半だろうか?美容師さんみたいな見た目をしている。

この部屋でこの女性に何があったのだろうか?何て事は考えてはいけない事です。

でも、ついついそんな事を考えてしまいます・・・。

私は霊感なんてまるで無いのですが、そこに住んでいる人の情報が頭に入ってくる程に、ゾクゾクと部屋に異様な気配を感じるようになりました。

足元に散らばった手紙を見ると、お友達との文通?をしていたのかカラフルな封筒がいくつか落ちているのが目に入りました・・・。

開かれた手紙から

「悩んでいる、困っている、助けてほしい・・」

という文字が目に飛び込んできました。

文字を見た瞬間、この人のツライ気持ちが私の中に流れてくるような気がしました。

私は恐怖心に駆られて金になりそうな物を抱えると、すぐに部屋を飛び出して会社に戻りました。

どうしても、それ以上の情報を頭に入れたくは無かったのです・・・。

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見ざる、言わざる、聞かざる

会社に戻っても、そんな現場の話は誰にも言わないし、聞いたりもしません。

マネージャー以外の従業員は、私が死後清掃の業務をしている事は知りません。

このような「何が起きたのかわからない現場」は何度もありました。

ただ唯一現場に共通していたのは「若い女性の部屋だった」という事です。

私はこういう話をいままで誰かに話した事はありません。

それはただ、あの部屋の独特の緊張感や圧迫感をうまく言葉に表現する事が出来なかったからなのかもしれません・・・。

世の中には、よくわからない仕事が沢山あるんだなぁ・・と当時の私の感想はその位のものでしかありませんでした。

 つづく