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警察官クビになってからブログ

ダークファンタジーブログ

警察官をやめさせられた話②完結編

警察官をやめさせられた話①の続きになります。全体的に暗い話になって申し訳ありません。ぜひもう少しだけお付き合いください。

いつから警察官になりたかったのか?

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記憶を遡ると幼稚園の七夕の時には「おまわりさんになりたい」と短冊に書いていた記憶があります。

私に一番大きな影響を受けたのは、幼少期に入院や検査ばかりしていた時にお世話になった病院の先生や看護師さんの献身的な優しさだったと思います。

先生たちと接する中で「自分も何か人のためになる事がしたい」と思うようになりました。

それに加えて、私が子供の頃は「刑事ドラマ」「警察のヒーロー」みたいなモノが流行っていましたから、その影響が大きかったのだと思います。

そしてその気持は中学生になっても、高校生になっても変わることはありませんでした。

警察学校に呼び出された「父」

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その日はいつもと違い、昼に上司から呼び出されました。

とにかく私はもうウンザリしていました。

毎日毎日上司から呼び出され「辞めろ辞めろ」と叱責され続けること。

それが終わってから行われる、同僚からの嫌がらせにです。

いつも通り呼び出された部屋にはいると、3人の上司と共に父がいました。

父を見た瞬間私は「もうダメか」と思いました。

上司達が何をする気なのかは知らないが、上司達が「何が何でも私を辞めさせよう」という考えなのが伝わってきたからです・・・。

父の顔をチラッと見るとキョトンとした顔で座っていました。

私は「あ、ダメそう」ともう一度心のなかで思いました。

父と3人の警察官

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3人の上司は次々に口を開いて「息子さんを辞めさせましょう!」と父を説得しはじめました。

結局私が何を言われても「辞めません」と言い続けるから父を説得しよう、という事なんですねー。

まず、リーダーである初老の上司がいつも通り満面の笑みで言います。

「息子さんは心身共に疲れ切っています、私達も息子さんの将来を考えた上で辞めることを勧めているんです。」

わたしが心身共に疲れているのは、あなた達が毎日呼び出すせいですよ!笑

などと思いつつ、3人の上司が父をアレヤコレヤと説得するのをボーッと聞き続けました。

父は上司の話を「ハイ・・・ハイ」と聞くばかりです。

(まぁ大体、私のココが悪い!アソコが悪い!という話です。)

そして上司達がひと通り話し終わると、父はこう言いました。

「話はわかりましたが、それが辞める理由になるのですか?」

不意を突かれた私たちは思わず「キョトン」としてしまいました。

父の反論

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実は父とあまり面識が無かったので知らなかったのですが、父は小さな会社を経営しており、長年営業マンをしていたそうなのです。

そのせいか、ずいぶん「話すのが上手」に聞こえました。

父は上司達が言った辞めさせる理由に対して淡々と反論を始めました。

その内容は大体この3点でした。

  • 上司たちのやり方が強引すぎる事への批判
  • 人を雇い入れた以上、責任があるのではないか?
  • ダメなら育てるという考えはないのか?

といった話を、3人の警察官相手に淡々とする父には少し感心しました。

「これで終わりだろう」と思っていたのか、いつの間にか満面の笑みで話していた上司の表情は「真顔」になっており、怒っているようにも見えました。

上司達の判断は素早かった。

父の反論が終わるとすぐに「わかりました、ではもうしばらく様子を見ます。」と言って話し合いを切り上げてしまいました。

父を説得できない、とわかった以上「話し合いを続ける意味が無い」と判断したのでしょう。

その判断の速さに、当時18歳の私は「大人の怖さ」を感じました。

上司たちの強力な最終手段

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結局これでわたしは警察を去ることになります。

突然、上司たちは警察学校にいる私の同期全員に対して「卒業までの外出禁止」を命じたのです。

※寮生活である警察学校では、本来「土日」だけは家に帰る(外出)が許されているのです。

そして外出禁止にするその理由は「私の素行が悪いから」だとみんなに伝えたのです。

もちろん小さな子供や家族、恋人等に会えなくなってしまう同僚たちは、私の所につめかけて激怒しました。

これには私も観念せざるおえませんでした。

辞職します。

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私はその日の夜に、初老の上司のいる教官室にいき「自分が責任をとって辞職するので、外出禁止を取り下げて下さい。」と言いました。

初老の上司は腕を組み眉間にシワを寄せて、いかにも考えて悩んでいるような演技をたっぷりした上で「わかった、お前の気持ちを汲んで特別に外出禁止は取り消しにしよう」と言いました。

茶番です。

この時、はじめて涙が出てきました。

やめる手続きと「上司の罪悪感」

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次の日、上司が何やら色々な書類を持ってきたので順番に書いていきました。

私はもう・・なんというか、何も考えられない状態だったので、黙々と書類を書いていきました。

初老の上司は私の姿を見て「罪悪感を感じた」のか「オレも警察官を定年になったら農家をやりたくてなー」とかよくわからない話をしていました。

私は「はい・・・・はい・・」と虚ろな表情で相槌を打つだけです。

私の小さな反抗

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書類を書き終えた後、印鑑を押す為に書類の下にスタンプマットを敷きました。

(※印鑑がキレイに押せる文房具です。)

それを見た上司は「おっスタンプマットもってるのか!」とまた、おかしな事を褒め始めました。

私はふと、なぜそんな事を褒めたんだろうか?と考えた。

そういえば、私を辞めさせる理由の一つとして「印鑑の押し方がナナメになっていた」と言っていた事を思い出しました。

その瞬間「怒り」がこみ上げてきました。

この状況で無理に機嫌をとってくるその態度に腹がたったのです。

私は顔を上げて、黙って上司の顔を見つめました。

察した上司は、目をそらして嫌そうな顔をして黙り込んでしまいました。

私の最初で最後の「小さな反抗」でした。

さいごに

半年ほどで警察官の道を踏み外した私は、ここからドンドン「警察官とは真逆の人生」を歩み始めます。

言い訳をさせてもらえるなら「警察官をやめさせられた人間」というレッテルは「コミュ障」の私には余計に重くのしかかったのです。

いくらまっとうな道に戻ろうとしても、結局は戻れず。

いつの間にか凶悪な犯罪者達と過ごすことになってしまったのです・・・。

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